どんどん冬に近づき、トヨタの森でも霜の降りる頃となりました。
さて、今回の二十四節気「小雪」では植物たちの冬支度に注目して、観察会を行いました。
まずはモミジの紅葉を観察しました。よく見ると同じモミジでも赤や黄色、そして緑のままのモミジなど様々な色の葉っぱがあることを発見! 同じモミジでも色が違うというのは不思議ですね!
次にある植物の蕾と花を観察しましたが、何の植物かわかりますか?
実はビワです! 他の植物が花を咲かせないこの時期にあえて花を咲かせることで、冬でも活動する虫を集めて花粉を運んでもらっています。花からは、まるで杏仁豆腐のような甘い匂いがしました。
森を歩いていると、葉が赤く色づいた綺麗な植物を見つけました。ですが触ってはいけません!
実はこの植物、ヤマハゼといって、触ると皮膚がかぶれてしまうウルシの仲間の植物です。
茎が赤く、上から見ると放射線状に茎が伸びているのが特徴なので、もし見つけても触らないように気を付けましょう。
冬に葉っぱを落とす植物の1つ、ホオノキです。朴葉みそで有名な植物ですが、写真の通り冬になると葉っぱを全て落としてしまいます。葉っぱを冬に落とすことによって、光合成などで余分なエネルギーを使うことなく冬を越すことが出来ます。
森の中で葉っぱを集めて、ハウス内で葉っぱの色を見比べてみました。こうして見比べてみると自然には様々な色があるということがわかります。まるで絵の具のパレットのようですね!
また紅葉がなぜ起こるのかについてもお話ししました。
紅葉が起こる理由
1, 葉っぱの中には、クロロフィル(緑色)とカロテノイド(黄色)という色素や糖分など、様々な物質があります。
2, 葉っぱが落ちる前にクロロフィルは分解されます。分解されるとカロテノイドが目立つようになり、黄色くなります。
3, 赤くなる葉っぱは、糖分を分解してつくられるアントシアニン(赤色)が多くなり、赤く色づきます。
参考文献
学研. 学研の図鑑LIVE植物. 2015,3. p186―187.
振り返りでは、
・タカノツメの紅葉がきれいだった。
・ 初めて紅葉について知れたことがあった
・ゆっくり観察することが出来た。
・モミジ以外の紅葉も楽しむことが出来た。
・自然の造形美を見ることが出来た。
といった感想をいただく事が出来ました。
ところで、「モミジ」と「カエデ」の由来を知っていますか? モミジは,昔の言葉で紅葉することの意味の「もみづ」が変化して,「カエデ」は葉っぱの形がカエルに似ていることから「カエルデ」と呼ばれていたのが「カエデ」になったと言われています。身近なものでも名前の由来を調べてみたり、今回のように紅葉などの身近な現象や、生き物でも「なぜ起こるのだろう」「この生き物は何だろう」と思って調べてみたり観察してみたりすると、新たな発見ができるかもしれませんね。
(文・写真 まっつん)
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