豊田市では、縄文時代の遺跡からドングリを貯蔵していた穴が出てきた
ってご存知ですか?
縄文人がドングリを食べていたという証拠ですね~。
それじゃあ、縄文人にならってドングリを食べてみよう!
ということで、ドングリを拾ってから食べるまでの工程をいざ体験!
ドングリは拾ってすぐに食べられる種類と、
アクを抜く必要がある種類とがあります。
今回は、アク抜きが必要なアラカシのドングリを使用しました。
まずは、初日。
ドングリを森に拾いに行きました。
次々と拾い集めましたが、粒が小さいのでバケツ半分がようやく・・・
昔の人もこうやって苦労して集めていたのかな。
次に、殻を割って中身を出します。
使う道具は、石。
石でコン!とたたくと殻がパカッと割れて、これが楽しい!
このまま食べてみたところ、「渋い!」という方もいれば「いける!」という方も。
薄皮までむいたら、石でゴンゴンたたいて粉々にしていきます。
ドングリのアクはタンニンという物質で、水に溶ける性質があります。
細かくして表面積を増やすことで、アクが抜けやすくなるんです。
包丁を使ったら楽にできるんじゃないかしら?
というアイデアが参加者から出たので実践してみると
みじん切りにする要領で砕けば、力のない人でも楽にできることを発見できました。
粉を布の袋に入れて、水につけておきます。
すると、水が茶色く濁ってアクが出てくる様子がわかります。
初日はここまで。
1日1回水を替えて1週間・・・。
布袋から中身を出してそのまま食べてみると・・・
あれ?渋さが全然ない。
上手にアク抜きできたようです。
このドングリ粉を石窯で乾燥させている間に、豊田市産イノシシの背油からラードを抽出。
このイノシシもドングリを食べて暮らしてたのかな??
「家の周りにイノシシが掘った跡があるからすんでいるのは知ってるけど、そんなイノシシから脂がとれるなんて」
と、身近な生き物と食とのつながりを感じてくださいました。
材料がそろったら、お待ちかねのクッキー作り!
森で採れたニホンミツバチの蜂蜜と、水、小麦粉を混ぜて成型し石窯で焼きます。
小麦粉は縄文時代にはありませんでしたが、
作りやすくするために、ちょっとだけ現代を混ぜ込みました。
ちょっと焦げちゃいましたが、さて、苦労して作ったクッキーのお味は・・・?
ドングリの風味を味わっていただくために甘味は少なめのレシピにしましたが、
「おいしい!」
今回のドングリクッキーのレシピは、豊田市の郷土資料館の方、
ドングリの専門の方、和菓子屋さんと共同開発しました。
イベントでは、郷土資料館の方から遺跡についてご説明いただき、
「この話が聞けただけで、参加した甲斐があった」と、皆さん感心されていました。
「孫にイベントのことを自慢したら、秋に遊びでドングリを石でつぶしてたんだって。今度は孫と一緒にクッキーを焼いてみたい!」
「イノシシの脂は霜焼けに効くんですよ」
「〇〇公園にはマテバシイのドングリがいっぱい落ちてるの」
など、参加者同士の会話が弾むことで情報交換や学びにつながり、
とっても充実した時間になりました。
また、「自然の素材を食べることは大切だなあと思う。」
「時々道具などを使って現代に戻ったりもしたけど、縄文時代の気持ちでよかった。」
という感想もいただきました。
今は、食べ物がすぐ手に入る便利な時代です。
食べ物を得ることに苦労しない分、ありがたみを感じることも
減ってきてしまっている気がします。
食材を自然の中から自分で手に入れることで、
自分の命と自然とのつながり、食べることのありがたさを、
改めて感じながら生活していきたいものですね。
(文 がっちゃん、写真、こっしー)
0コメント