10月24日に、二十四節気の「霜降」を感じる森歩きを実施しました。霜降といっても、当日の最低気温はまだ霜には早い10℃ほど。二十四節気は2000年以上前に中国で作られたものがそのまま使われ続けているため、その土地によって実際の気候とは一致しない部分があります。トヨタの森では、秋が深まり冬の気配が感じられる時期、といったところでしょうか。
数日前に台風が通過した森では、アベマキのドングリがたくさん落ちていました。中には早くも根を出しているドングリも。そして、ドングリから出てくるドングリ虫の親、シギゾウムシの仲間も見つけました。木の上からドングリと一緒に落ちてきたのでしょうか。
キノコも生えています。今年は少な目のようですが、参加者の皆さんは見る目鋭く見つけてくれました。枯木を食べるキノコ、木と共生しているキノコ、キノコを通して木から栄養をもらっている植物のイチヤクソウと、森の中の複雑な関係を見ることができました。
草原に出たら、一休みもかねて、座って目を閉じて、ゆっくりと虫の声を聞いてみました。コオロギの仲間が何種類も鳴いていました。
虫の声を意識した後は、足元にたくさんのバッタやコオロギたちがいることにみなさん気付かれたようで、「ここにもいた!」「逃げられた!」「でっかいのいた!」と、人の声と虫の声で秋の森がにぎやかになりました。
参加された皆さんからは、
「普段はうるさいと思っていたが、初めて森の中でゆっくりと虫の声を聞いて感動した」
「気温が上がって賑やかになる春や夏と、段々静かになる秋では変化が大きく面白かった。」
といった感想がありました
季節の移ろいを感じにくい街中でも、街路樹や植え込みの草木が色付いて来たり、ちょっとした草むらなどからは意外と虫の声が聞こえてきたりします。柔らかな日差しに映える木の葉、夜長には耳を澄ましてみてはいかがでしょうか。
(文・コイさん 写真・のだら)
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